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すべて「正しき情報」は事後に明らかになったものであり、リアルタイムでの情報の発信はなかった。 本来、そうあるべきだが、そうはならないのである。
それは金融が「偽装」できるためだが、だからといって金融そのものは否定できないし、磨かれた金融テクニックやグローバル化が経済をダイナミックに成長させるという現実もある。 ここでも答えは前項と同じ。
経済が成熟した日本は、1500兆円の国民金融資産を含めて、金融を有効活用しなければならず、そのためには情報の迅速で正しい開示によって、「情報の非対称性」の解消に努めるという不断の努力を重ねるしかない。 事業証券化という裏技一方で、大胆なストラクチャード・ファイナンスによって、産業界を大きく動かした例も挙げておこう。
日本で最大級のM&Aとなったのは、ソフトバンクによるボーダフォン買収である 2006年3月、ソフトバンクは1兆7500億円でのボーダフォン買収を発表、当初は他にも売数先があるかのような情報操作によってボーダフォンが高値に誘導、ソフトバンクはそれに踊らされたとして「高値掴み」の報道が多かった。
それは事実だったのかもしれないが、携帯電話事業への参入によって、インターネットの通信インフラをすべて押さえ、豊富なコンテンツとともに合体させるという孫正義社長の野心を満たすにはあのタイミングで買わざるを得ず、後付けで「高低」を語っても仕方のないことである。 問題は買収資金をどう調達するかだったが、ソフトバンクが「事業証券化」という実に大胆証券化という偽装第二章な手法で1兆4500億円を用意したことが判明する。

これなど、携帯事業がうまくいかない時には投資家サイドが経営に口を出す、あるいは経営を主導するといった「財務制限条項」がついているファイナンスで、究極のリスクマネーといえよう。 時系列的にいえば、ボーダフォン買収を発表した翌月の翌年4月、ドイツ銀行、Mコーポレート銀行などを主幹事に、-年後を満期とする1兆2800億円のブリッジローンが決まり、その資金によって同月、買収が完了する。
それから北尾吉孝氏が代表を務めるSBIホールデイングスの株式を売数、1360億円のキャッシュをつくるなどして返済に備えたうえで、日月初日、事業債権の証券化によって、-兆4500億円の資金を調達することが決まり、証券化は実行され、ブリッジローンは返済されたのだった。 それにしても携帯電話における全事業を証券化するということは、貸し手も「伸びるか反るかの大勝負」である。
ソフトバンクが失敗すれば回収は見込めなくなり、だからこそ「財務制限条項」をつける。 これによって、設備投資とリース契約に制限がつけられるなどソフトバンクは自由度を奪われたうえに、携帯電話の契約数が減少すれば、最悪、経営権を奪われるものだった。
もちろん連続して1年間、契約者数が減少した場合、といったように経営権を奪うハードルは高いが、孫氏の博打につきあう覚悟を決めた証券化であり、隠蔽やごまかしを目的とした証券化とはわけが違っていたのである。 89また、証券化が「モノの概念」を変えてしまったものもある。
日本の土地がそうで、幻世紀に入って土地は資産から商品となった。 かつて土地は「所有」するものであり、企業にとって土地は信用を担保するものでもあった。
だから企業は業績が上がり、余剰資金が生まれると、本社・支社、工場・店舗、社宅・保養所などのために土地を購入して建物を建てた。 土地は右肩上がりするものだという「土地神話」があり、「上がる」という前提に立つから不動産取得に意味はあったし、取得によって金融機関から信用を得た。
しかし、土地は値下がりもする危険な資産であることを、日本はバブル崩壊後の「失われた長年」で学んだ。 企業は土地を所有することをやめ、むしろ時価会計の導入による含み損の表面化を嫌って、次々に不動産を売数、身軽になっていった。
この動きに連動していたのが銀行のBIS規制である。 銀行は自己資本の充実を図るためには資産を売数してバランスシートをスリムにしなければならず、不動産担保ローンや住宅ローンの証券化は、最も効果的な資産圧縮法だった。
ここで「借り手」と「貸し手」の思惑が一致する。 さらに受け皿としてファンドが登場、東京の商業地の土地がまず不動産ファンドの所有となり、大阪、名古屋、福岡などまたたく聞に広がった。

最初の不動産ファンドは機関投資家や資産家のカネを任意で集める私募ファンドだった。 これに例年同月から個人のカネまで広範に集める公募の上場不動産投信であるREITが加わって、不動産ファンドは土地購入の主体となって定着、翌年末までに数兆円を超える規模となった。
ファンドであるから購入の目的はひとつ、 投資家のために確実な収益を確保することである。
そのために、収益還元法が定着した。 「隣が坪100万円で売買されたので、ウチもそのくらい」といった取引事例で計算するのではなく、投下資本に対する家賃収入で決まる。
たとえば100億円を投じて取得、家賃収入などで5億円の収益を期待できるならその不動産は「5%の利回り物件」である。 この収益還元法と証券化によって、日本の土地は復活した。
実際、卯年代末の日本の不動産相場は、行きすぎたデフレにより下がりきっていた。 それでも買い手はおらず、外資が不良債権を中心に次々に買収、優良物件と混ぜ合わせ、金融商品に仕上げて巨利を得るようになる。
それを称して「ハゲタカ外資」と誹る向きもあったが、所有から商品へと土地の概念を変えることによって、底なしかと思われた地価の下落を食い止め、白年以降は都心商業地を中心に上げに転じた功績は大きい。 証券化には、ソフトバンクのM&Aに見られるように、金融機関やファンドにリスクを分散させることによって巨額資金調達を可能にしたり、不動産のように流動化を促進することで「モノ」としての概念を変え、金融商品の一大市場を築くような効果もある。
そうした功罪を見極めながら、「情報の非対称性」に陥らないよう、透明性と開示に留意し続けることが必要なのである。 暗躍する不良債権処理部隊土地の金融商品化は、不動産業界を変えた。

金融機関から融資を受けて、自らリスクを取って土地を買収、それを製品化(虫食いがあれば地上げ、建造物があれば解体、さらに土地の形状を整える)して販売するという業態は流行らなくなり、私募や公募(REIT)の不動産ファンドが業界の中心に位置するようになった。 入札される商業地の著名物件や大型物件を競うのは彼らである。
不動産ファンドによる証券化はリスクを分散する。 銀行も機関投資家もREITを購入する個人投資家も、自らのリスク許容量に応じて出資すればいいから、かつての不動産投資のような博打性がない。
ということは、経験と人脈とノウハウがあれば、資力がなくとも不動産ファンドを立ち上げることができるわけで、事実、幻世紀に入ると、そうしたファンドが次々に立ち上がり、株式を公開、REITを組成していった。 東京・港区にあるフューチャープロデュース(フューチャー)も、不動産の私募ファンドを持ち、対象不動産を証券化、不動産管理までを行う新しいタイプの不動産会社である。
2006年8月期が売上高侃億3800万円、経常利益口億100万円で、8月期が売上高数億300万円、経常利益凶億5300万円。 ファンド運営や証券化を主とする業態を考え第三章金融偽装の原点れば中堅業者として評価していい。

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